作り手から見たCordvan Crochet
今回コードバン クロシェットの製作を担当したトロンボです。すでにこのクロシェットは商品紹介がされていますが、それを補うような形で作り手からみたこのアイテムの魅力を語りたいと思います。
まず初めにこのクロシェットはオールハンドメイドです。
このクロシェットはシンプルな見た目ではありますがサンプル段階から何回か細かい製作デザインを変更して今の形に至っています。そしてその過程でハンドメイド特有のデザインをいくつか仕込んでいます。まずは次の画像をみてください。
左がサンプルで右が完成形です。
型の細かい寸法の違いはありますが、大きく違う点は二点あります。
①糸のピッチを手縫いの限界まで極端に短くしたこと。
左の画像の糸のピッチ、これは手縫いの一般的なピッチです。広くもなく狭くもない。
これに対して変更としてピッチを縫えるすれすれまで短くました。このことにより見た目の繊細さを獲得できてます。しかし、問題として穴あけの工具が使えないほど細かい作業となり結果として穴を一点一点開けることになりました。このことにより作業時間は途端に長くなっています。さらに縫う際は一定の力をかけて縫うのですが、ピッチが狭いことにより縫う力をいつもより慎重にならないといけない問題も発生しています。
また、繊細さだけでなくアンティークを両立するためにシニュー糸という特殊な糸を採用しました。これはミシンでは使うことが出来ない、手縫いでしか扱えないものです。
このシニュー糸は何本かの平らな糸が依って形成された糸で好みの大きさに割いて使うのが一般的です。これをギリギリまで細く割いて使用しました。これにより通常の糸に比べて粗野な印象を受けるステッチを実現しています。
②コバ処理の仕様を変更したこと。
『コバ処理』という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
コバ処理とは部材の端の処理のことです。今回は塗料を塗布するコバ処理にて処置しています。
最近では手間をかけた品質の需要からコバ処理が見直しの傾向にありますが、商品作りをする上でコバ処理は作り手から嫌われます。はっきり言えば業務で物作り行うほとんどの方はやりたがりません。(端を内側に折り返して縫うのが一般的です。)
なぜか？この最後の最後の工程で失敗すると今までの工程すべてが破綻するからです。(そして失敗しやすい工程でもあります。)
そして更に時間はかかるのにちょっとしか見た目は変わらない、ある程度まで行けばあとは最終的に自己満足の世界であるがゆえに時間的コストと見合わない。
まだまだありますが、これらが主な理由です。
しかしコバ処理にはそれだけの魅力があるのも確かです。今回のクロシェットはすべての面のコバ処理を行いました。
ハンドメイドでやる意義をこの部分でも表現しました。
以上を踏まえて穴あけから手縫いの工程の動画を撮ってみましたので良かったら見てください。
まだまだ語りたいとこはありますが、このアイテムの魅力を伝えられる機会になってくれることを祈ります。
Wallet Chain
ファーストリリースとなるWallet Chainのご紹介
私たちIGは古着文化に根ざした物作りを主軸にしています。ですのでリリースするアイテムも昔からあるものをIGのフィルターによって解釈したものを提供していきます。
今回提供するレトロなアンティーク調を演出してくれる赤サビ加工アイテムはまさに私たちが目指す物作りと相性がとても良い加工です。
パーツから加工まで全て日本製
現代において商品を製作するにあたり何から何まで日本製品にこだわる必要はありません。粗悪なものでなければ良いというのであれば値段を下げて必要最低限のクオリティーを確保するというのも一つの方向性であると理解できます。
しかし、アンティークなレトロ感を演出してくれるものを製作しようとしたらパーツから加工まで全て日本製のものでなければいけませんでした。なぜなら、このようなアンティーク加工はその匙加減でいとも簡単に嘘くさくチープなものに成り下がるからです。
同様に、質が低いパーツも嘘臭さを助長します。アンティークなアイテムというのは何十年単位で捨て去られずに生き残ってきたものだからです。愛着が湧くものであり、しっかりしたものでなければ生き残れるはずがありません。
ですので確実な品質が担保できる品を探した時に日本製であったことが必然でした。
『どこかで、何かで見たことがある』アンティーク加工で商品を作る際は忘れてはならない感覚です。その感覚を忘れば加工もパーツも説得力あるものを用いてもチープに見られます。
今回の製作アイテムがウォレットチェーンであるということは必然であるものなのです。
なお、赤サビは加工ですので衣服への色移りは心配ありません。
本当は悪目立ちしないアイテム
今、多くのブランドがウォレットチェーンをリリースしています。しかし、それらほとんどのアイテムが主張が強すぎるように思えます。10代の若者が付けるのならばまだしも30代からの男性が付けるには厳しいほどギラギラした主張のものが溢れかえっています。
元々光沢感が一切ない仕上げ故に悪目立ちはしませんが、長さも腰位置が隠れるぐらいのトップスを着用した際に裾からチラリと見える程度のバランスを意識しました。赤錆の表情があるのでこの長さでもしっかりと地味な印象を払拭してくれます。
ウォレットチェーンに抵抗がある方ほど試していただきたい商品です。クセはあり適度に主張はしますが全体のコーディネートに馴染んでくれます。もちろん既にウォレットチェーンを持っている方でもオススメします。
古い時代の映画のワンシーンのように、日常にちょっとだけ刺激を提供します。
IGの作る製品はそのコンセプトからストーリー性を大事に考えます。
それは大げさではない程度の高揚感をあなたに提供します。ワンカットだけかもしれませんが日常をほんの少し舞台のように演出するでしょう。
ぜひお試しください。
ご購入はこちらからお願いします。
Spoon Ring
ファーストリリースとなるSpoon Ringのご紹介
レトロなアンティーク調のスプーンリング。スプーンリングとはティースプーンの柄の部分を切り取って曲げて作ったリングのことを指します。100年前の古い年代から比較的新しいものまで様々なタイプが古着屋さん、アンティーク屋さんから定番的な扱いで販売されています。
IGが提案するスプーンリング
一口にスプーンリングとは言っても柄のデザインがプレーンなもの、装飾の彫りが凝っているものやリング状への曲げ方によって様々なバリエーションがあります。そこが昔から多くの人たちや収集家から愛される理由となります。
今回IGが提供するスプーンリングはプレーンで装飾性は排除したデザインを起こして設計し製作しました。この平面的な面への赤サビ加工との相性は画像の通り抜群に良いものとなります。実際にスプーンリングが昔から定番としてあるものだからこそ赤サビ加工が嘘臭さのない説得力のあるものになり得るのです。
また、パーツから加工まで日本製で統一していることもこのスプーンリングを製作する上で大切なのものです。なぜならば赤サビ加工は素材感のチープさが出た時点で途端に嘘くさくなるものだからです。
実は販売時点では完成品ではありません
この赤サビ加工リングはあなたのお手元に届いた段階では完成品ではありません。実際に装着すると指の擦れる部分が赤サビ加工が落ちます。そして部分的に加工が落ちきった時に初めて完成品と言えます。いわば『逆工程』をユーザーの手で行っていただきます。これは加工ですが実際のものでも擦れたりで使用している部分にサビは発生しません。擦れない面にサビはできます。そこをよりリアルに表現することができます。
そしてこのスプーンリングは溶接止めを行なっていません。初期設定サイズは19号としていますが、サイズ調整はお手持ちのペンチ等でご自身の手で行うことができます。
(ペンチを使用の際は加工を傷つけないように先をテープ等で養生してから作業をお願いします。)
古い時代の映画のワンシーンのように、日常にほんの少しの刺激を提供
IGの作る製品はそのコンセプトからストーリー性を大事に考えます。それは大げさではない程度の高揚感をあなたに提供します。ワンカットだけかもしれませんが日常をほんの少し舞台のように演出するでしょう。
ぜひお試しください。
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Cordovan Crochet
ファーストリリースとなるCordovan Crochetのご紹介
INDIVIDUAL GLAUBENより満を持してリリースされるレザークロシェットについて紹介いたします。
レザーにはこだわりの日本が世界に誇るコードバンを使用
まずはクロシェット本体部分に使用するレザーについて説明します。今回は素材にとことんこだわり抜きました。なんと使用するのはコードバン。あらゆる革の中でも最高のキメの細かさ、スムースさ、ツヤを持つ最高級のレザーです。力強さとエレガンスを併せ持つその表情は否応無しに人の目を集めることでしょう。また、このクロシェットはお買い上げいただいた時点では完成していません。使い込むことで手の油分が染み渡り、モノと触れ合うことで繊維がより寝ていき、深いツヤが生み出されます。使用頻度にもよりますが、毎日使用していれば半年ほどでより深いツヤへの変化が感じられるでしょう。
美しさばかりが注目されるコードバンですが、堅牢性も牛革の3倍を誇ります。また、牛革と違い単層なので長年使用しても型崩れや歪みが起こりにくいのも特徴です。細かな傷がついてもエイジングによって馴染んでいきますし、ツヤによってほとんど気になりません。今回、馬の成長過程で付いた傷がある部分をあえてチョイスしています。この傷こそ味ですので、気を使いすぎるよりもガシガシ使って頂いた方が楽しめるでしょう。
ただし、１つだけ気をつけて頂きたいのは水濡れ。コードバンは水に濡れたまま放置すると白い斑点のようなシミが出来てしまいます。さらに長時間放置し続けると部分的にふくらみが生じます。こうなってしまうと完全に除去することは不可能です。ですので、水や汗で濡れた際はすぐにしっかりと拭き取ってください。
アンティーク感を引き立てるリアルな赤錆加工のメタルパーツ
程よいアクセントとアンティーク感を感じさせるメタルプレート。これは実際に錆びているわけではありません。メッキ後に塗装処理をして仕上げています。なので錆が服に付いてしまう心配もありません。使い込んで革の細かな傷が付いたりツヤが増して行くほどにメタルプレートの表情とより馴染んでいきます。
また、見えない部分ではあるのですが鍵を引っ掛けるリングも同じ加工を施しています。
手縫いでの限界まで細かなピッチでの仕上げにより醸し出されるエレガンス
縫製にもこだわりました。手縫いで限界まで細かなピッチで仕上げることにより、よりエレガントな雰囲気に仕上げています。この縫製のピッチが粗いと途端にワーク感のある粗野な雰囲気になります。また、エレガントなだけでなくアンティークな雰囲気に自然と溶け込むことも必要でした。その為に、手縫いでしか扱うことの出来ないシニュー糸という僅かな毛羽立ちを表現出来る糸を採用しています。
日本の伝統的なシルクの江戸打ち組紐による気品と優しい掛け心地
紐には日本で古くから伝わる伝統の江戸打ち組紐を採用。しかもシルクです。組紐は糸を撚りあわせて作るのではなく、糸を一本一本組み上げて作ります。なので紐に糸の組み上げによる表情があるのが特徴。さらにシルクなのでそのツヤ感によりさらに上品に仕上げられています。紐の端は手間の掛かる房仕上げとすることで、高級感とアクセントを加えています。パッと見では和を感じさせるほどではありませんが、実は日本のアイデンティティが含まれているのがポイントです。
また、組紐は糸が斜めに交差している為、紐に適度な伸縮性があります。鍵をぶら下げて使うのでわずかに重さのあるクロシェットですが、その紐の伸縮性により歩いてる際の振動があっても優しい掛け心地。また、紐の結び目の位置によって長さを調節可能です。
INDIVIDUAL GLAUBENにしか出来ないクロシェット
エレガンスと力強さをを併せ持ち、アンティーク感ある説得力溢れるデザインのクロシェット。このクオリティでこの価格は市場にないでしょう。
ブラック8個、ネイビー4個、カッパーレッド4個、マルーン11個の合計27個のみ限定でのリリースです。一つ一つにシリアルナンバーすを内側に刻印。貴重なアイテムとなりました。是非、この機会にお試し下さい。
ご購入はこちらからお願いします。
【ご挨拶】INDIVIDUAL GLAUBEN 開始します。
初めまして私たちはINDIVIDUAL GLAUBENというグループです。
主に関西圏でものづくりを行いネット販売にて提供していきます。
私たちの作る製品の特色はレトロであることです。古着文化に根ざし、その時代にあった空気感を私たちの視点で現代風にアレンジしていきます。
このブログでは製品の販売ページでは語れない製品になるまでの過程や、私たちの製品に対するコンセプト、こんな使い方やコーディネートが楽しめるといったアイデアを乗せていく場にしたいと考えています。
簡単なご挨拶となりましたよろしく応援の程、お願いします。
INDIVIDUAL GLAUBEN代表トロンボ
